今季の新人賞は誰の手に? 本命は森田、対抗馬は小野寺、日野、吉田康、小澤、安井らか | ラグビージャパン365

今季の新人賞は誰の手に? 本命は森田、対抗馬は小野寺、日野、吉田康、小澤、安井らか

2012/08/31

文●斉藤健仁


いよいよ8月31日(金)、10シーズン目となるジャパンラグビートップリーグ(以下TL)が開幕する。14チームが13試合ずつ戦い、4チームがプレーオフトーナメントに進出し、優勝が決する。

今シーズンもパナソニックに入団したソニービル・ウィリアムスを筆頭に、ニュージーランドや南アフリカ、イングランド、サモアなど強豪各国の代表経験者がTLに多く加入した。一方で昨シーズンの大学で活躍したスター選手の多くもTL入り。TLのトップ4争いでだけでなく、新人賞争いも熾烈を極めるだろう。

昨季はマイケル・リーチが東芝の選手として初受賞

昨年、新人王とベスト15を受賞したマイケルリーチ(東芝)

昨年、新人王とベスト15を受賞したマイケルリーチ(東芝)

まず、過去9シーズンの新人賞を受賞選手みてみよう。新人賞は日本の高校や大学を卒業したてのルーキーの選手たちが対象だ。

昨シーズンは、大学時代から日本代表でレギュラーとして活躍した東芝のFLマイケル・リーチが文句なしの受賞。NECをトップ4に導く原動力の1人となったSO/CTB田村優も新人らしからぬ堂々としたプレーを見せたが、惜しくも受賞を逃した。

過去の受賞者を見ると全員がリーグ5位以上に入ったチームから選出され、過去4年を見ればプレーオフに進出したチームから選出されている。過去9人中4人がサントリーからの選出で、昨シーズンのマイケル・リーチは東芝初の受賞選手となった。またTL初年度の菅藤心選手(サントリー)と3年目の後藤翔太選手(神戸製鋼)はすでに引退したが、大半が日本代表で活躍中の選手だ。新人賞が日本代表の登竜門的な賞であることがわかる。

新人賞ヒストリー

2003-04シーズン SO菅藤心(明治大) サントリー リーグ4位
2004-05シーズン WTB水野弘貴(関東学院大) トヨタ自動車 リーグ4位
2005-06シーズン SH後藤翔太(早稲田大) 神戸製鋼 リーグ5位
2006-07シーズン WTB北川智規(関東学院大) 三洋電機 リーグ5位
2007-08シーズン SH田中史朗(京都産業大) 三洋電機 リーグ2位、
2008-09シーズン PR畠山健介(早稲田大) サントリー プレーオフ準決勝進出
2009-10シーズン LO眞壁伸弥(中央大) サントリー プレーオフ準決勝進出
2010-11シーズン SH日和佐篤(法政大) サントリー プレーオフ決勝進出
2011-12シーズン FLマイケル・リーチ(東海大) 東芝 プレーオフ準決勝進出


ちなみに新人賞はTLの「ベスト15」とは違い記者や監督の投票によって選ばれるのではなく、リーグによって選出される。

今季は東芝の森田が本命か? トップ4を狙うチームにも若きスターがメンバー入り!

夏合宿のトヨタ戦ではすでレギュラー組のCTBとしてプレーしていた森田(東芝)

夏合宿のトヨタ戦ではすでレギュラー組のCTBとしてプレーしていた森田(東芝)

8月31日、9月1日の試合のメンバーがすでに発表された。開幕戦でも多くの新人がスタメンまたは控えメンバー入りを果たした。

本命はやはり、昨シーズン、帝京大学を史上2校目となる大学選手権3連覇に導いた東芝のSO/CTB森田佳寿だろう。社会人になってからも伸びており、夏の日本代表合宿にも招集が検討されたほど(ケガのため参加できず)。開幕戦はCTBとしての出場となるが、今シーズンは外国人枠が3人から2人に減った影響もあり、本来のSOとして出番もありそう。

過去4人の新人賞を輩出している昨季王者のサントリーには、残念ながら新人の開幕メンバー入りはなし。春の練習試合の状況をみると、東福岡、法政大でFBとして活躍した竹下翔平がケガさえなければ控えに入っていたかもしれない(シーズン途中には復帰する予定だという)。

そのサントリーと開幕戦で対戦するNECには、昨季、流通経済大を関東リーグ戦優勝に導いたLO小野寺優太が先発。春から試合に出場し、「大変ですが頑張っています」(小野寺)というようにフィットネスを鍛えて、スタメンの座を勝ち取った。

 

開幕スタメンの座を勝ち取ったトヨタ自動車PR吉田

開幕スタメンの座を勝ち取ったトヨタ自動車PR吉田

また昨季は、一昨年シーズンのトップ4から、まさかの10位と低迷したトヨタ自動車。開幕戦には大学卒の新人3人がメンバー入り。帝京大のスクラムを支えたPR吉田康平、7人制代表でも活躍した流通経済大出身の大型WTB小澤大は先発、帝京大のSH滑川剛人もリザーブから出場をうかがう。

そのトヨタ自動車と開幕戦で対戦するヤマハ発動機。かねてより新人選手の起用に長けている清宮克幸監督が先発に抜擢したのが、同志社大出身のHO日野剛志。チーム内の「春のMVP」を受賞するなど、急成長中だという。昨季6位の神戸製鋼は東海大の主将だったLO安井龍太が、リコーは関東学院大のWTB渡邊昌紀がスタメン出場する。他にもNTTコミュニケーションズ、NTTドコモ、キヤノンのメンバーにも新人が名を連ねている。

開幕メンバー入りの選手の中には、きっと近い将来に桜のジャージーに袖を通す選手が出てくるはず。有名外国人スター選手たちだけでなく、チームの勝利に貢献するだろう若きスターたちの活躍も是非注目してほしい! また誰が新人賞に輝くか、予想しながらトップリーグを見るも楽しいはずだ。ちなみに新人賞は毎シーズン、リーグ終了後のトップリーグの表彰式で発表される。

開幕戦でメンバー入りした新人選手たち

8月31日(金) サントリー対NEC (@秩父宮)19:30〜
NEC 先発:LO小野寺優太(流通経済大)

9月1日(土) リコー対パナソニック(@秩父宮)17:00〜
リコー 先発:WTB渡邊昌紀(関東学院大)

9月1日(土) 東芝対NTTコミュニケーションズ(@秩父宮)19:00〜
東芝 先発:CTB森田佳寿(帝京大)
NTTコム 先発:NO8栗原大介(慶應義塾大)、WTB小泉将(明治大) 控え:WTB/FB 小川優輔(慶應義塾大)

9月1日(土) 神戸製鋼対近鉄 (@神戸ユニバ)18:00〜
神戸製鋼 先発:LO安井龍太(東海大)

9月1日(土) トヨタ自動車対ヤマハ発動機 (@瑞穂) 19:00〜
トヨタ自動車 先発:PR吉田康平(帝京大)、小澤大(流通経済大) 控え:SH滑川剛人(帝京大)
ヤマハ発動機 先発:HO日野剛志(同志社大)

9月1日(土) NTTドコモ対キヤノン (@長居第2) 19:00〜
NTTドコモ 控え:PR西村尚記、SH秦一平
キヤノン 先発:LO日高駿(明治大)、FL植松宗之(立命館大)、SH福居武(大阪体育大) 控え:SH高城良太(法政大)

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